シルビア(S13 PS13) 180SX(RS13 RPS13)
エンジンが高回転で吹け上がらない症状の事例です。
エンジンが吹け上がらない症状はいろいろあると思います。
例えば イグニッションコイルが故障、プラグの劣化 燃料フィルターが詰まりかけている、エアフロからスロットルまでのパイプが外れているなどさまざまです。
今回は、年式の古い車両ならではの事例でした。
作業
お客様の修理依頼で、エンジンはターボ付きで足回りが入っている程度の改造でした。
症状は高回転だけ吹け上がらないということなので、試走してみましたが確かに回転が上がってブーストが掛かるとエンジンが吹け上がりにくい、でもゆっくり踏んでいくとエンジンは吹け上がります。
この症状でよくあるのはパイピングの抜けが多いので、最初に確認しましたが特に問題ありません。
(インタークーラーのフィン部分が裂けている事例)
たまに事故などでインタークーラーが割れている場合もありますので目視で確認します。
ただパイピングまわりの圧漏れを確認をするのに一番手っ取り早い方法は、エアフロを外して圧をかける方法です。
修理作業で確認する時にも便利ですが、特に新品で前置きインタークーラーを取り付けた時は圧チェックした方が良いと思います。ホースバンドの位置が良くなくてシリコンホースとパイプの間から空気が逃げていることが多かったです。
せっかく前置きインタークーラーを入れたのにブーストの落ち込みが激しくなったりしたら残念ですよね!
圧を掛けることによって、他の不具合を見つけることができるかもしれません。
原因がパイピングではなかったので、エンジンルームを確認していきます。同時にお客様に車両の状況を聞きました。
お客様に話を聞くとエンジンが高回転で吹け上がらないが症状は半年前からで、だんだん調子が悪くなってきたみたいです。 車両を購入してからプラグや燃料フィルターを交換したことがないということと、1カ月前に燃料ポンプが故障して別の整備屋さんで、中古の燃料ポンプに交換したと言っていました。
燃料ポンプを交換してから少しの間は高回転で吹け上がらない症状が改善されたと言うことでした。
エンジンルームを見た感じは、クランクシールからのオイル漏れやタペットパッキンのオイル漏れなどがあり燃料フィルターなども長い間交換したことがなさそうです。
とりあえずプラグと燃料フィルターを新品に交換してもう一度、試走しましたが症状は改善しません。
次に
(写真はS15のエンジンルーム)
センサー系の故障で症状が出ている感じではなかったのと、燃料ポンプが故障して中古の燃料ポンプを付けた時に少しの間は症状が改善したと言うヒントをもとに燃圧計を付けて試走しました。
普通に走行している時には問題ありませんが、ブーストが掛かった時に燃圧が落ちていきます。
燃料ポンプが原因の可能性大・・・
早速、燃料ポンプを見てみると
なかなかの錆です・・・
フィルターも錆で詰まっている感じです。
しかし・・・
燃料タンクがすごかった!
シルビアと180SXは年式が古いのでガソリンタンク内がでさびているのは特に珍しくはないのですがで、このタンクの中はかなりひどい状態でした。
錆と何かの物質が混じった感じになっています。
湿った土っぽい感じでガソリンに混ざるとサラサラしています。
燃料タンクは交換した方が良いと思いますが、予算の関係でタンク内を清掃しました。
車両に装着されていた燃料ポンプはフィルターが詰まっているだけで使用できそうでしたが念のため交換します。
燃料ポンプが付いている土台は中古で交換して、燃料ポンプは新品に交換です。
燃料ポンプを車両に取り付けて試走してみると、高回転だけ吹け上がらない症状は改善されて気持ちよく吹け上がります。ばっちり直りました!
今回の原因は燃料タンク内の土っぽくなった錆がフィルターを詰まらせたことでした。他の整備屋さんが燃料ポンプを交換した時にに少しの間だけ症状が改善したのは、燃料ポンプと一緒にフィルターが交換されたので、錆の付着がなくエンジンが吹けるようになったと考えられます。そのあとすぐにまたエンジンが吹けなくなる症状になったのは土っぽい錆がフィルターに付着したためだと思われます。
上記と同じような症状の車両は一度、整備屋さんに燃料タンク内を確認してもらっても良いかもしれません。年式も古い車両なので、今まで燃料ポンプや燃料ホースを交換していない車両はトラブル回避のためにも交換をお勧めします。😊
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